春の訪れと共に考える心臓の健康

桜の便りが聞かれる季節となりました。暖かな日差しが心地よい一方で、春は「三寒四温」と言われるように気温の変動が大きい時期でもあります。このような季節の変わり目は、私たちの体、特に心臓血管系に思いがけない負担をかけることがあります。
春先の気候変動と心血管リスク
急激な気温の変化は、血管の収縮や拡張を頻繁に引き起こし、血圧の変動を招きます。特に高血圧や心臓に持病をお持ちの方は注意が必要です。寒暖差によって心臓発作(狭心症や心筋梗塞)のリスクが高まるという報告もあります。
- 暖かい日中に薄着で過ごし、夕方急に冷え込むと血管が収縮し血圧が上昇しやすくなります。
- 逆に寒い朝に急に暖かい場所へ移動することも血圧変動の原因となります。
花粉症と心臓の関係
春は花粉症のシーズンでもあります。くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状は、交感神経を刺激し、血圧や心拍数を上昇させることがあります。また、一部の抗ヒスタミン薬(アレルギー治療薬)には、眠気を引き起こしたり、心臓に影響を与えたりするものもあるため、服薬中の方は医師にご相談ください。
春の心臓健康を守るためのポイント
この時期を健やかに過ごすために、以下の点に注意しましょう。
- 寒暖差対策: 脱ぎ着しやすい服装を心がけ、急激な温度変化を避けるようにしましょう。
- アレルギー管理: 花粉症などのアレルギー症状がある方は、早めに適切な治療を受け、症状をコントロールしましょう。
- 水分補給: 気温が上がると汗をかきやすくなります。脱水は血液を濃縮させ、血栓のリスクを高める可能性があるため、こまめな水分補給が大切です。
- 運動の注意点: 暖かい日には運動がしやすくなりますが、急に激しい運動を始めるのは避けましょう。ウォーキングなど軽い運動から始め、徐々に強度を上げていくのが理想です。
- バランスの取れた食事: 春野菜など旬の食材を取り入れ、塩分・脂肪分を控えめにしたバランスの良い食事を心がけましょう。
- 定期的な検診と服薬: 持病のある方は、定期的な検診を欠かさず、処方された薬をきちんと服用することが重要です。
春は活動的になる良い季節ですが、無理は禁物です。ご自身の体調と相談しながら、健やかな毎日をお過ごしください。気になる症状があれば、早めに当院にご相談ください。