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院長ブログ

櫻井繁樹の医療ノート
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新年度こそ健康チェック! 見逃さないで、サイレントキラー高血圧

血圧測定の様子

新年度が始まり、新しい環境での生活がスタートした方も多いのではないでしょうか。暖かくなり活動的になる季節ですが、環境の変化は知らず知らずのうちに心身の負担となることもあります。忙しい毎日の中でも、ご自身の健康状態を定期的に確認することは非常に大切です。

健康診断、受けていますか?

「特に症状がないから大丈夫」と思っていませんか? 病気の中には、自覚症状がないまま進行するものも少なくありません。健康診断は、そのような隠れた病気やそのリスクを早期に発見するための重要な機会です。特に、生活習慣病と呼ばれる高血圧、糖尿病、脂質異常症などは、初期段階では症状が出にくいため、定期的なチェックが不可欠です。

当院でも、高崎市の特定健診や職場健診などを実施しております。年に一度はご自身の体の状態を確認し、生活習慣を見直すきっかけにしましょう。

「サイレントキラー」高血圧の怖さ

高血圧は、自覚症状がほとんどないまま血管に負担をかけ続け、動脈硬化を進行させることから「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれています。放置しておくと、以下のような命に関わる重大な病気を引き起こす可能性があります。

  • 心臓疾患: 狭心症、心筋梗塞、心不全、心肥大など
  • 脳血管疾患: 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など
  • 腎臓病: 腎硬化症、慢性腎不全など
  • 眼底疾患: 高血圧性網膜症など

健診で血圧が高めと指摘された方、あるいはご家庭での血圧測定で高い値が出ている方は、決して放置せず、早めに医療機関を受診してください。

当院での高血圧治療と管理

当院では、循環器専門医として、高血圧の診断・治療に力を入れています。単に薬を処方するだけでなく、患者様一人ひとりの生活背景や合併症を考慮し、最適な治療法を提案します。

  1. 正確な診断: 診察室での血圧測定に加え、必要に応じて24時間自由行動下血圧測定(ABPM)や家庭血圧の記録を参考に、正確な血圧の状態を把握します。
  2. 原因の検索: 二次性高血圧(他の病気が原因で起こる高血圧)の可能性がないかも検討します。
  3. 合併症の評価: 心電図、心エコー、頚動脈エコー、動脈硬化検査(ABI/PWV)などで、高血圧による臓器障害がないか評価します。
  4. 生活習慣指導: 管理栄養士や理学療法士と連携し、減塩指導、食事療法、運動療法など、生活習慣の改善を具体的にサポートします。
  5. 適切な薬物療法: 生活習慣の改善だけでは血圧コントロールが難しい場合には、患者様の状態に合わせて最適な降圧薬を選択します。

家庭血圧測定のすすめ

診察室での血圧は緊張などにより高くなることがあります(白衣高血圧)。また、診察室では正常でも家庭血圧が高い場合(仮面高血圧)もあります。ご自身の普段の血圧を知るために、家庭での血圧測定は非常に重要です。

  • 朝(起床後1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前)と夜(就寝前)の2回測定しましょう。
  • 椅子に座って1〜2分安静にしてから測定しましょう。
  • 測定した血圧値は記録し、受診時に持参してください。

新年度は健康を見直す絶好の機会です。定期的な健康診断を受け、高血圧などのリスクを早期に発見・管理することが、将来の健康を守る鍵となります。血圧のこと、健診のこと、その他気になる症状があれば、どうぞお気軽に当院にご相談ください。