心臓リハビリテーションとは

心臓リハビリテーションとは、心筋梗塞や狭心症、心不全、心臓手術後などの患者さんに対して行う、運動療法、食事療法、生活習慣の見直しなどを包括的に行う医療プログラムです。

当院では、安全に配慮した運動療法を中心に、再発予防・生活の質の向上・寿命の延長などを目指した治療を行っています。

心臓リハビリテーションの目的

  • 心肺機能の改善
  • 心血管イベントの再発予防
  • QOL(生活の質)の向上
  • 予後の改善
  • 心理的な安定

対象となる疾患

  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 心不全
  • 末梢動脈疾患
  • 開心術後
  • 大血管術後

当院の心臓リハビリテーション施設

心臓リハビリテーションセンター

当院は2007年から外来心臓リハビリテーションをスタートし、2008年に心大血管疾患リハビリテーション施設(I)の基準を満たす施設として認定されました。2010年には専門的な心臓リハビリテーション専用棟が建設され、充実した設備のもとでリハビリテーションを提供しています。

設備・機器

  • 自転車エルゴメーター(リカベントタイプ 4台、スタンダードタイプ 8台)
  • トレッドミル 3台
  • 油圧式筋力トレーニング機器(サーキットトレーニング用)
  • モニター心電計
  • 心肺運動負荷試験装置
  • 4D心臓超音波検査装置

外来心臓リハビリテーションプログラム

当院の心臓リハビリテーションプログラムは6ヶ月間で構成されており、日本心臓リハビリテーション学会の標準プログラムに準じて行っています。

1

初回評価

医師による診察、心肺運動負荷試験、生活習慣の評価などを行い、患者さん一人ひとりの状態に合わせたプログラムを作成します。

2

運動療法

週3回まで、エルゴメーターやトレッドミルを用いた有酸素運動と、筋力トレーニングを組み合わせて行います。すべての運動は医師・看護師・理学療法士などの専門スタッフの監視下で安全に行います。

3

生活指導・教育プログラム

心臓病に関する知識、食事療法、服薬指導、ストレス管理などについて、個別または集団での指導・教育を行います。

4

定期的な評価

3ヶ月ごとに心肺運動負荷試験などを行い、プログラムの効果を評価します。必要に応じてプログラムの内容を調整します。

5

維持期プログラム

6ヶ月のプログラム終了後も、必要に応じて継続的なフォローアップを行います。NPO法人ジャパンハートクラブが運営するメディックスクラブへの参加も勧めています。

心臓リハビリテーションの効果

心臓リハビリテーションを継続して行うことで、以下のような効果が期待できます:

  • 心肺機能の改善
  • 筋力の強化
  • 血圧・脂質・血糖値のコントロール
  • 心臓病の再発率や死亡率の低下
  • QOL(生活の質)の向上
  • 不安やうつ症状の軽減
  • 日常生活動作の向上
心臓リハビリテーションの効果グラフ

心臓リハビリテーションセッション情報

  • セッション時間 1セッション約2時間
  • 実施曜日 月〜土:午前 / 月水金:午後
  • 実施回数 年間約3,500件
  • スタッフ体制 循環器内科医、看護師、理学療法士、管理栄養士
  • スタッフ資格 心臓リハビリテーション指導士の資格を有するスタッフが在籍

心臓リハビリテーションの流れ

  1. 受付・メディカルチェック(体重、血圧測定など)
  2. 準備体操
  3. 有酸素運動(エルゴメーターやトレッドミル)
  4. バイタルチェック
  5. 筋力トレーニングまたは集団指導
  6. 整理体操・リラクゼーション
  7. 医師による診察・計画書の作成